ANZAÏ フォトアーカイブから約100点を展示し、1970年代のパフォーマンスやコレクティヴ(集団制作)の系譜を時系列に沿って紹介する。
【李禹煥展 関連小企画】
国立新美術館所蔵資料に見る1970年代の美術—— Do it! わたしの日常が美術になる
展覧会概要
1960年代後半以降、新たに生まれた芸術の動向は、写真や映像、印刷物や郵便による通信、イヴェントやパフォーマンスなどにより、多様化していきます。その背景には、1964年の東京オリンピック、1970年の日本万国博覧会(大阪万博)を経て、日本社会が高度経済成長を遂げ、物質的な豊かさを取り戻すとともに、映画、テレビをはじめとするマスメディアの変遷を経験したことが挙げられます。同時に、二度にわたる安保闘争や公害問題などにより、社会の矛盾や既成の共同幻想の虚構性があらわになり始めた時代でもありました。
本展では、国立新美術館の主要資料である安齊重男(1939-2020)による写真をガイドラインに、当館のアーカイブに所蔵されている美術関連資料を紹介します。展覧会が終われば解体されるその場限りの作品やパフォーマンスなどの表現を追い、安齊は作家たちの伴走者としてシャッターを切りました。その記録は、当時を窺い知ることのできる証言として解釈され、流通し続けています。また、当時の若手作家たちは身体や身近な素材を用い、それをコピー(ゼロックス)やビデオなど自主的に複製できるメディアで記録するという、簡易な形式で多くの作品を残しました。本展では安齊がとらえた70年代の美術動向を通奏低音としながら、当時の作家たちの制作意識や発表方法の広がりといった点に着目することで、現在に通じる資料の読みの可能性を探ります。
1 行為と芸術
2 流通するメディア
チラシやポスター、冊子によってパフォーマンスの告知、記録を流通させた「THE PLAY」。各個人がそれぞれの場所で記録したデータを青焼きやゼロックスなどの複写手段によってコピーし、郵送するという一連の行為を不可視的美術館と想定した「精神生理学研究所」。長野・諏訪を拠点とした松澤宥、名古屋を拠点とした水上旬らの印刷物を例に距離を超えて展開された70年代美術のネットワークを辿る。
3 どこにでもある日常を読み替える
自宅など作家個人が日常生活を送る空間を舞台にして同時多発的に行われた展示を、指示書や写真によって記録した「点展」。本展では、東京・日本橋で画廊を経営していた山岸信郎が所有していた1973年、1976年の資料をもとに、榎倉康二、島州一、高山登、長重之、原口典之らが行った取り組みを紹介する。あわせて、同資料より、菅木志雄が屋外で試みた展示やパフォーマンスの記録を読み解く。
作品リスト [PDF: 590KB]
チラシ [PDF: 2.89MB]
印刷物デザイン 小池俊起
会 期 | 2022年10月8日(土)~11月7日 (月) 毎週火曜日休館 |
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開館時間 | 10:00~18:00 ※毎週金・土曜日は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで |
会 場 | 国立新美術館 企画展示室2E 〒106-8558東京都港区六本木7-22-2 |
主 催 | 国立新美術館、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁 |
※本展覧会は、「国立新美術館開館15周年記念 李禹煥」の連動企画です。

令和4年度日本博主催・共催型プロジェクト
観覧料 | 無料 |
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お問合せ | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |